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沖縄の業界地図と経済状況

 

今回は台風15号が沖縄本島接近中でしたが、無事に開催することができました。

 

そんな状況にもかかわらず、参加された皆様ありがとうございました。

 

今回は新進気鋭の先生お2人から、沖縄の経済を中心に、参加者全員で意見交換しました。

 

学びの後は、全員で天久テラスさんの「てんぷらコース」を堪能し、親睦を深めました。

 

 

 

──────── 第1部 ───────

テーマ:「業界地図」活用のススメ

形 式:プレゼンテーション

概 要:今年5月に発売され好評の「沖縄の業界地図」活用方法、作成の背景となった経済学、作成時に工夫した点などを紹介いただいた。

発表者:大城 淳 氏

  沖縄大学 法経学部 准教授

  1985年沖縄生まれ

  博士(経済学) 大阪大学大学院 経済学研究科

  専門は空間経済学、産業組織論、公共経済学

沖縄の業界地図 http://www2.okinawa-u.ac.jp/~j-oshiro/index.html

沖縄大学教員紹介 http://www.okinawa-u.ac.jp/faculty/teachers/189

 

当日配布した資料:slideshare ( http://www.slideshare.net/kembookenichitakara/ss-52316320 )

 

<出版に至った経緯>

「業界地図」の沖縄版が欲しかったから、作ったら売れるだろうと考えていた。

ゼミの学生たちの成長を促すために、学生たちが主体的に学び、調査、研究するにはどうすれば良いか考えていた。

「沖縄の業界地図」を出版するという、わかりやすい目標を掲げたことで、学生たちのモチベーションアップに繋がった。

 

<編集の工夫>

本家「業界地図」の構成を踏襲。

取引・資本関係、主要企業の取り組みなどを掲載。

沖縄県は他県と比較して、独特の系列企業(金秀、白石、國場組など)や政府系機関(ゆいレール、OCVB、開発金融公庫など)の関わりも大きいことがわかった。

 

<書籍を売るための工夫>

マーケティング4Pのフレームワークをもとに戦略を立てた。

4P→製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)

コンビニの書棚に陳列した時に、タイトルとコピーが隠れないように表紙をデザインした。

出版したら、かなり売れた!!!(書店、ネットともに品切れ中)

出版元の沖縄教販には、5冊程度、書店から返却された在庫があるらしい。

(沖縄県那覇市辻1丁目17−1、電話:098-868-4170)

次年度更新版を作成中。今回のものは増刷予定なし。

 

<経済学の視点で事例を紹介>

【イオンモール沖縄ライカム】

イオンモール沖縄ライカムは、地域で独占的地位を築き、新規参入を阻止する戦略とみることもできる。

あれだけ大きいものを作ると運営は大変だが、あのエリアには競合他社(サンエーなど)が参入しにくくなる。

サンエーもこれまで同じような戦略を取っていた(◯◯シティなど)。

(独禁法に触れない範囲で)いかに、競争を避け、独占・寡占の状態を作るかどうかが、企業戦略。

業界地図の中で、寡占状態にある業界には、それなりの理由や仕組みがあると考えながら、企業間取引の状況や業界構造を見ると面白い。

 

<その他質問事項>

Q)沖縄経済が自立できていない理由は?

A)政府の関与(援助、補助金など)が大きいことが理由の一つと考えている。一般的に、政府の関与が大きすぎると、それ無しには事業継続できない体質になりがち。

 

Q)今後、有望な業界は?

A)業界ではないが、沖縄は不動産所得(土地などの賃貸収入)が多い。今後も儲かる仕組みは継続するし、資産の所有による格差は広がると思う。

 

Q)今後、危ない業界は?

A)特定の業界を指摘するのは避けるが、古い企業しかなく(新規参入無し)、若い人が入りにくい(知識や技能の継承ができない)業界が衰退すると思う。

 

────── 第1部 以上。 ─────

 

 

──────── 第2部 ───────

【第2部】

テーマ:沖縄を取り巻く経済状況

形 式:ワークショップ

概 要:様々なデータをもとに、沖縄県経済についての課題意識などを共有し、私たち沖縄のビジネスパーソンがそれぞれの立場で、思いやアイデアを語り合った。

モデレーター:金城 敬太 氏

  沖縄国際大学 経済学部 講師

  1981年沖縄生まれ

  博士(情報学) 慶應義塾大学大学院政策メディア研究科、総合研究大学院大学複合科学研究科

  専門は統計科学、知能情報学、マーケティング・サイエンス

researchmap http://researchmap.jp/kinjo/

沖縄国際大学教員紹介 http://www.okiu.ac.jp/academic/teacher/pdf/keizai/ca-kinjo20140411.pdf

 

当日使用した資料:slideshare ( http://www.slideshare.net/kembookenichitakara/ss-52370735 )

 

 

<課題意識、意見、アイディアなど>

沖縄が経済発展していく上での問題や障害などについて各人の考えや解決のためのアイディアを共有した。

 

・時系列データを並べただけで、仮説を立て、意思決定するのは危険。統計処理、経済学的な検証等を踏まえた上での意思決定が理想。

 

・学力が低いことに対しては、幼少期における教育投資にインセンティブを働かせることで解決出来るのではないか?

 

・学歴が高いことと経済的に成功していることに相関があるかどうか疑問。沖縄における高所得者層は、高卒や中卒も多いという実感がある。

 

・援助の呪いによって自立できていない分野がある。

 

・アジアの顧客にどの商品が受け入れられるのか、日本企業のテストマーケティングの場として、沖縄を活用できないか?

 

────── 第2部 以上。 ─────

 

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